新カレニーナ編のシナリオをざっくりまとめてみる

ストーリー翻訳

時系列は17章(極昼編)のあと。 極昼の活躍で双子は撃破したが、執行部隊は壊滅的なダメージを受けていた。 リーフは機体を闇触に換装し意識海は安定しているが、まだ意識が戻らない状態。 →首席のサポートなしで強引に機体換装したため大きなダメージが残った。

スターオブライフで目を覚ます首席。 となりには一緒に現地で戦っていたシーモンの姿が。 シーモンも無事に地上に帰還していた。

補足:指揮官の重要度
首席>>シーモン>>>>>>>>>>>その他
シーモンは首席レベルに意識海が安定しており、汚染の耐性も若干ある。 一度に100体近い構造体とリンク可能なので、大規模作戦では必須。 シーモンがバックアップ、首席がレイブン隊で単独突破がセオリー。 この2人が優先的に救出された

双子の驚異は去ったが、地上はさらにパニシングが拡大してる状況。 さらに大気圏まで進出してくる異合生物が大量に発生していた。 この影響で空中庭園↔地上の行き来が難しくなり、地上の保護区にいる人間や現地部隊のサポートが難しくなっていた。

この状況を打開するため、工兵部隊は輸送船の新型エンジン開発に着手していた。 工兵部隊の隊長であるカレニーナと副長のクリスティーナが開発を主導。 しかし、どうしても出力不足の課題がクリアできずにいた。

補足:クリスティーナ 地上・月の採掘事業をまとめているノルマン家の娘。 わけあって家を出て工兵部隊に所属している。 毒舌でいつもカレニーナとぶつかっているが、隊長に対して絶大な信頼を抱いている。 常にヘッドフォンをつけている。

補足:ノルマン家 黄金時代に採掘事業で一気に巨大な勢力となる。 パニシング発生後は月に移り採掘を続けていた。 空中庭園のエネルギー事情を一手に握っているため、議会での発言力も非常に強い。 事業の特性上、芸術協会考古部隊とのつながりもある。 長男がものすごくチャラい。

行き詰まっているカレニーナのもとに黒野のグリーンズがやってくる。 黒野の登場に訝しむカレニーナ。 しかし、ハセンとニコラが一緒にいるのを見て警戒を解く。 グリーンズはカレニーナに対して零点エネルギーを応用したエンジンの開発を提案する。

もし実現すれば輸送船の出力問題が解決し、地上部隊や人間をより多く救うことができる。 グリーンズからカレニーナの祖父(カノン)の名前が出てきたこともあり、カレニーナは一旦話を聞くことにした。

カレニーナは提案に関して2つの問題点を指摘。
①零点エネルギーの研究データが無いため零点エネルギー実用化は困難
②そもそも研究する場所がない →地上に研究施設なし、パニシング発生のリスクがあるため空中庭園では無理(零点エネルギー炉はパニシングの発生源)

グリーンズはいずれも問題ないと返す。
①アトランティスから回収したオメガファイルに零点エネルギーの研究データがあり、これを応用すれば実現化は十分可能である
②零点エネルギー炉のある月面基地を再稼働させて研究を行う

カレニーナは信用できなかったが、ハセンとニコラに目線を送るとどうやら夢物語ではないようである。 このまま時間を浪費しても地上の被害が広がるだけなので、カレニーナはグリーンズの提案を承諾する。 カレニーナは工兵部隊の中からエリート部隊を編成し、月面に向かう。

ハセンやニコラにも目的があった。 「大型オメガウェポンの開発」である。 極昼搭載のオメガウェポンでは現状に対応しきれず、何よりリーフに大きな負担がかかる。 そのため、零点エネルギーを応用した大型オメガウェポンによるパニシング殲滅作戦を計画していた。 一時的にグリーンズと組む。

月面基地に到着するカレニーナたち。 エイハブという黒野研究員が施設を案内することに。 一見頼りなさそうな感じではあるが、一応月面基地を統括する立場。 黒野研究員ではあるが、カレニーナたちに積極的に協力したりと良い人。 →裏があるわけではなくシンプルに地上の人間を救いたいタイプ

月面基地は数十年凍結されていたが、零点エネルギー炉や付随する研究設備が揃っていた。 おかげで黒野研究員による零点エネルギー実用化の研究はかなり進んでいた。 エイハブによると、既に零点エネルギー実用化の研究は完了しつつあるとのこと。

実際に自分の目で研究データを確認するカレニーナ。 問題ないと判断し、”大型オメガウェポン”と零点エネルギーを応用した”重力波エンジン”の開発にGOサインを出す。

同時にカレニーナは機体の換装を行っていた。 グリーンズからお礼として新しい機体が提供されていたのである。 黒野製なので戦闘能力はお墨付き。 さらに特殊な逆元装置が採用されており、通常の構造体でも検知できないパニシングも検知できるようになっていた。

カレニーナは零点エネルギー応用中にパニシングが発生しても即座に反応できる機体、さらに低重力(月は地球の1/6)でも問題なく動ける機体を手に入れる。 機体の換装はクリスティーナが担当、彼女のおかげで機体換装は問題なく完了する。

大型オメガウェポンの開発は1週間で完了、月面基地のとある場所に設置されていた。 カレニーナはグリーンズにつれられて月面基地の最深部にある場所へ向かう。 そこには拘束されたルナの姿があった。 75号都市の決戦以降行方不明だったルナは黒野が回収、月面基地に拘束されていた。

補足
αのデータから開発された特化機体:鴉羽 、栄光
ルナのデータから開発された特化機体:極昼

ルナを目の前にしたカレニーナはすぐさま攻撃態勢に入るがグリーンズに止められる。 よく見るとルナの背後には開発したばかりの大型オメガウェポンが設置されている。 グリーンズは大型オメガウェポンが抑止力になってルナは何もできないと言う。

この辺でグリーンズの目的が見えてくる。 グリーンズは人間の「弱さ」を克服、つまり人類の進化を目的としていた。 昇格ネットワークに選ばれたルナこそが次の人類の姿だと信じ、昇格ネットワークを利用して人類の進化(選別)を推し進めようとする。 →ヴォネガットと目的被ってる?

そのためグリーンズは異常にルナに執着。 どうしてルナが昇格ネットワークに受け入れられたのか研究し、それを人類や構造体に落とし込む研究を続けていた。 →その実験部隊がレイブン隊でもある

グリーンズに利用されていることに不快感を示すカレニーナであったが、代行者であるルナですら拘束できる大型オメガウェポンが戦局を覆す存在になると感じていた。 カレニーナ「おっさん(ハセン)がおっさん(グリーンズ)と組んだ理由がわかった。」

カレニーナは次に零点エネルギーを応用した”重力波エンジン”の開発に着手する。 これが実現すれば輸送船のエネルギー不足問題を解決することができ、より多くの輸送船を地上に送ることができる。

開発は困難を極めたが、エイハブから黒野の研究データが提供され、なんとか完成に至る。 カレニーナは黒野のせいでブラックボックスな事が多く、これまでどれだけの犠牲が出てきたかとエイハブに詰め寄るが、エイハブもかなりのリスクを犯していることを知り、素直に感謝の意を述べる。

”大型オメガウェポン”と”重力波エンジン”の開発に成功した工兵部隊。 一旦空中庭園に帰還しようとするが、空中庭園から大型オメガウェポンを搭載した素体を開発&量産して欲しいという要望が入る。 →極昼機体の強化版のようなもの

カレニーナは渋々承諾する。 素体の研究に必要なデータを得るためにルナが拘束されている部屋に向かうカレニーナ。 カレニーナが端末を操作しようとするとルナが目を覚ます。 しばらく警戒していたカレニーナだが、ルナに抵抗する様子はなかった。

どうやらルナは昇格ネットワークに接続できず、本来の力を失っているようだった。 75号都市での行動が昇格ネットワーク側に問題視さている模様。 →姉(鴉羽)と人間(首席)を信じた結果

昇格ネットワークへの接続はできなかったが、代行者としての立場は失っていなかった。 なぜ昇格ネットワークが自分を完全に追放しないのか不思議に感じるルナ。 背後にある大型オメガウェポンをチラ見すると、自分の置かれている状況を理解してカレニーナに協力することに。

ルナはカレニーナに対してわりと好意的だった。 いつもルシアに好戦的なカレニーナを姉の良い友人(?)と解釈しているようである。 ルナは姉の友人の依頼だったから素直に受け入れた。 ルナ「あなたは絶対に諦めないのね。姉さんにそっくり。」

ロラン視点。 極昼開発〜双子撃破の裏で、ロランはハイジとヴォネガットと行動をともに。 →ヴォネガットがルナの居場所を知っていると思い聞き出そうとしていた。

ヴォネガットと取引をし、異合母体に養分を提供する役割を担当していた。 →道化を演じて人々を母体まで連れて行き、そのまま母体の養分にする

役割をこなしたロランは、報酬としてヴォネガットからルナが月にいるという情報を得る。 ロランはルナを救出しに行こうとするが、ヴォネガットに釘をさされる。 代行者が人類の手中にあるのは危険、救出に失敗したら抹殺するしかないと。

ロランはルナに直接あって本人の考えを聞いてから判断することにした。 昇格ネットワークの力で夢を見せてくれていたが、それが無理となれば…。

また、ロランはヴォネガットから双子を生み出した異合母体の組織片を受け取る。 この組織片は様々なエネルギーを吸収して成長し続けるという特性がある。 「この組織片を零点エネルギーに放り込んだらどうなるかな?」 ヴォネガットはロランにそれだけ伝えた。 ☒混ぜるな危険

ヴォネガットとハイジが離れたあと、ロランは暗号化したメッセージをとある人物に送っていた。 「ルナ様の居場所がわかった。」 白髪の少女はメッセージに記された地点に向かってバイクを走らせた。

早速月面基地に向かうロラン。 ロランを信用しきっていないヴォネガットは監視役としてブードゥーを同行させた。 二人はある都市の地下で空中庭園製の輸送船を発見する。 幸い無傷のままでエンジンも問題なく稼働する。 二人が輸送船に乗り込もうとしたとき、二人を斬撃が襲う。

αはブードゥーを軽くいなし、胸元に強力な一撃を放つ。 ブードゥーは瀕死の状態でその場から動けなくなった。 ロランに近づくα。 α「もしルナを見つけたらこのデータを意識海に接続して。あとこれも。」 ロランはブサイクなカエル人形のキーホルダーも受け取った。

なぜ一緒に月に行かないのか少し疑問は残るが、月に行けない理由があると思われる。 αが直接的に助けるとルナにも何かしら危険が及ぶ? ここは本編からは読み取れませんでした。

場面は月面基地。 ・零点エネルギー炉の再稼働 ・大型オメガウェポンの開発 ・重力波エンジンの開発 ・新型特化機体の素体開発 タスクをこなした工兵部隊一行は月面基地に戻る準備をしていた。 そこでカレニーナの耳(逆元装置)が反応する。 →耳が立つと反応している状態

カレニーナ「まさか…パニシング…!?」 クリスティーナに工兵部隊を任せ、カレニーナは重力波エンジンの様子を見に行こうとする。 エイハブ「これを…!」 カレニーナはエイハブから黒野研究員のIDカードを受け取る。 これで今まで入れなかった基地最深部まで行くことができる。

重力波エンジンのコンソールにたどり着くと、カレニーナはそこで信じがたい光景を目にする。 なぜか侵食体が研究所内にいる。 月面基地でパニシングがあるとしたら…。 カレニーナはルナのもとに向かうが、そこでは何も異変が起きていなかった。 どうやらルナが発生源ではないようである。

カレニーナは耳を頼りにパニシングの発生源に向かう。 研究所の最深部のさらに奥の部屋にたどり着く。 エイハブから受け取ったIDカードを使用して部屋をあけると、奥の方に座っている人影が見えた。 カレニーナはすぐにそれが死体であると察した。 「なぜこんなところに死体が…。」

かなり腐敗が進んでおり、数十年放置されているようだった。 死体の回りには研究データが記載された膨大な書類が散らばっていた。 カレニーナが書類を手に取ると、そこには見慣れたサインがあった。 ”Dr.カノン”

祖父の名前をみて動揺するカレニーナ。 他に何か情報がないかと周囲を見回すと、死体が大事そうに音声レコーダーを持っていた。 カレニーナは丁寧に音声レコーダーを取り、再生した。

レコーダーには当時のカレニーナの祖父の研究に関する情報が録音されていた。

・構造体研究が行き詰まっており、成功率は20%に満たない(5人に1人が死ぬ)
・義体への移植は問題ないが、逆元装置を装着すると意識が乱れ死亡してしまう(課題は逆元装置にあり)
・カノンはパニシングウィルスの抗体を保有しているかどうかが成功可否に大きく関わると気づく。
・カノンは構造体手術の過程であえて少量のパニシングウィルスを投与することを提唱する。 この仮説を検証するために月面基地が作られた。 →地上に研究施設なし&空中庭園では危険すぎるため
・月面基地にはパニシングが存在しないため、零点エネルギー炉を併設して、そこでパニシングを意図的に発生させるようにした。
・万全を機して、基地内にはパニシングが感染する機械は持ち込まなかった。 →すべて紙ベースで研究を進めていた
・カノンの仮説は正しく、逆元装置を装着する前に微量のパニシングウィルスを投与すると劇的に成功率が上がった。
・しかし、月面基地内ではパニシングウィルスが徐々に広まり、研究者たちは感染し絶命していった。
・最後に残ったのはカノンと助手の二人。
・カノンはパニシング汚染により脳にダメージを負っており、精神が錯乱した状態。
・助手はカノンと研究データの書類を緊急離脱装置に押し込み、月面基地から脱出させた。 →この助手がカレニーナが発見した死体。
・カノンと研究データは空中庭園によって回収され、実際に構造体手術に応用される。

舌打ちをするカレニーナ。 最悪のタイミングで零点エネルギー炉からパニシングが漏れ出したらしい。 祖父の過去を知り動揺するが、まずは月面基地をどうにかしないといけない。

特に”重力波エンジン”がパニシングに汚染され暴走するとかなり危険な状況になる。 重力波が月を崩壊させ、その破片が隕石となり地球に降り注ぐ。 地上の人類に大きな被害が出てしまう。

しかし、”重力波エンジン”は地上の人類を救うために必要なものでもある。 重力波エンジンを破壊したら、間違いなくカレニーナは全人類の敵となるだろう。 カレニーナは自分がどうなろうと構わないが、重力波エンジンを破壊して地上の救出作戦が大幅に遅れることを危惧していた。

まずは状況報告するためにハセンに通信をつなぐ。 カレニーナ「おっさん!重力波エンジンは汚染されて駄目だ!ぶっ壊していいか!?」 ハセンが応答しようとしたところ、通信は途絶えてしまった。 パニシングの影響で月面と空中庭園の通信が不安定になっていた。

場面は空中庭園の議会。 定例会議中にカレニーナの緊急通信が入ったため、そのまま緊急対策会議に移行。 黒野の議員であるシスターは重力波エンジン破壊に反対する。 リスターの主張はこうである。

・重力波エンジンを空中庭園のエンジンに応用すれば、半永久的な航行が可能となる。
・地上奪還はほぼ不可能な状態であり、大気圏層まで異合生物が進出している。
・空中庭園への襲撃も時間の問題。地球衛星軌道を離れるべきだ。
・月面基地での研究で零点エネルギー実用化も理論上可能である。
・エネルギー問題が解決すれば空中庭園単独で生きることができる。
・そもそも空中庭園は恒星間航行の移民船。
・地球を離れることが人類にとって最適。
・幸い空中庭園は月面から距離を取ればこのままでも被害はでることはない。
・月面から重力波エンジンを回収する部隊は黒野が用意する。

保身に走る一部の議員たちはリスター主張に賛同し始めた。 特に零点エネルギーが実用化の目処が立ったという主張が議員たち動かした。 →これまでエネルギー問題があったため地上&月から離れることができなかった 会議の流れが決まったと思いきや、予想外の人物たちが登場する。

首席、シーモンを引き連れたグリーンズである。 →グリーンズは先の首席監禁事件により、現在は一時的に議会出禁中。 グリーンズは重要な会議には優れた現場の指揮官の意見も必要だと言い、二人を会議に参加させるようにハセンに要請する。

議長であるハセンはそれを許諾。 首席、シーモンも緊急会議に参加することに。 監察員の議員がグリーンズに退席を促すと、首席に「わかってるな?」と伝えてその場を去った。

遡ること数時間前。 スターオブライフにグリーンズが乗り込んできて、首席との面会要求をしていた。 ヒポクラテス(首席の担当医師)が拒否するが、首席は何か理由があると考えグリーンズと面会することに。

グリーンズから月面の状況、そしてカレニーナとルナの話を聞く。 重力波エンジンを破壊しないとカレニーナとルナ、さらに地上にいる人間に大きな被害が出る。 重力波エンジンの破壊は人類の希望を奪うことになるが、目の前の命を犠牲にすることはできない。

グリーンズはこれから始まる緊急対策会議で、重力波エンジンの破壊を主張してくれないか?と提案する。 →首席は人類の英雄であり、かなりの発言権を持っている。世論も抑えているので議会も無視できない存在に。

重力波エンジンはまた開発すればいい、今のカレニーナならそう難しくないはず。 目の前の命を救うことが最優先だと判断し、グリーンズの提案を承諾する。

重力波エンジンの破壊は人類の希望を奪う行為でもある。 このまま放っておくと、全て工兵部隊隊長のカレニーナの責任になり、人類の敵として矢面に立たされてしまう。 そんな状況を見過ごすことはできなかった。

緊急対策会議。 リスターの主張に対して首席が反論する(長くなるので割愛) ハセン、ニコラ、さらにノルマン家の長男も首席に賛同する。 →ノルマン家の長男は妹であるクリスティーナが月面にいるので救いたいという気持ちがあった。

月面での研究データがあれば重力波エンジンを再構築することも十分可能だとシーモンが援護。 有力者たちの後押しもあり、首席の主張どおり重力波エンジンを破壊する方向で話が進んだ。 リスターの移民船計画は頓挫することに。

グリーンズは重力波エンジンには興味がなく、ただルナを救出するために首席とシーモンに協力を要請した。 同じ黒野であってもリスターとグリーンズでは目的が異なる。 黒野のほころびが少し垣間見えた瞬間でもあった。

ビアンカは珍しく気を取り乱していた。 ビアンカ「ニコラ司令、カレニーナからの連絡はないのですか!?」 ビアンカ「支援部隊を編成してください。私も向かいます。」

ニコラに止められるビアンカ。 山鷲小队がすでに支援に向かっていると伝える。 →おそらくビアンカはカレニーナに万が一のことがあったら、自分が止めを刺すつもりだったと思われる。

新キャラ登場、粛清部隊隊員チコ。 ニコラはビアンカとチコに極秘任務を指示していた。 →次々回あたりのフリな感じ。

月面基地。 いまだに空中庭園からの応答はない。 カレニーナは人類の希望を奪ってしまってよいか悩んでいた。 残された時間はほとんどないため、決断を余儀なくされる。

いずれにしても他人を巻き込むわけにはいかないので、生存者を月面基地で一番安全なところに避難させる。 あくまでも”カレニーナ単独で破壊した”ということにしたい。 クリスティーナは反発するが無理やり押し切られ避難することに。 カレニーナ「最後が喧嘩別れとは少し後味が悪いな…。」

ルナの部屋。 大型オメガウェポンが暴走し、ルナのパニシングをどんどん吸収していた。 戦闘用の外装も消滅し、流石のルナも余裕がなくなっていた。 そこにカレニーナがやってくる。

カレニーナは敵対関係であるルナに協力を申し出る。 ・最悪の場合、零点エネルギー炉からエネルギーが溢れ出し、月面基地に甚大な被害が出る。 ・ルナが大型オメガウェポンを相殺できるレベルまでパニシングを放出し続ければ、零点エネルギーが枯渇して被害を抑えることができる。

要するにルナに代行者としての力を発揮してくれと行ったのである。 この要請にルナは驚く。 困難を乗り越えるためならできることはなんでもやる、というカレニーナの姿勢に感心する。 しかし、ルナは依然として昇格ネットワークに接続できずにいるため、カレニーナに協力することができなかった

ルナ「重力波エンジンを破壊することは人類全員を敵に回すこと。それでもやるの?」
カレニーナ「…わかってる」
まだ迷いのあるカレニーナ、言葉を濁してその場を立ち去る。 ルナの言葉を反芻するカレニーナ。 自分が犠牲になるのは構わないが、重力波エンジンを破壊していいのか…。

重力波エンジンに向かう途中、避難していたはずのクリスティーナたちがそこいにた。 カレニーナ1人を放っておくことができなかったようである。 そこにはカレニーナ隊の技師スタッフも大勢いた。 カレニーナの人望の厚さが伺える。

クリスティーナは研究データさえ無事であれば、再度重力波エンジンを開発することが可能と伝える。 その言葉を聞いて迷いがなくなったカレニーナ。 クリスティーナにデータ収集を任せ、重力波エンジンの破壊に向かう。 カレニーナたちは各々の役割をまっとうするために動き出す。

場面は変わりロラン視点。 ブードゥーはαの攻撃で負傷していたため、単独で月にやってきたロラン。 監視の目がなくなり自由に動ける状態。 月面につくと、わずかにルナとのつながりを感じ、ここにいると確信する。 →昇格ネットワークは完全にルナを切り離していない状態。

ルナのもとにたどり着いたロラン。 大型オメガウェポンでパニシングを吸収され続けているルナはかなり弱っていた。 ロランは大型オメガウェポンを破壊しようとするが、少し考えた後ブレードをしまった。 →代行者としての力を取り戻したときに対抗できるのか見たかった?

ロランはαから受け取った記憶媒体を取り出し、ルナの意識海に接続されている操作端末に挿入した。 そしてブサイクなカエルのキーホルダーも端末の上に置く。 αに余計なことはするなと釘を差されているので、ロランはおとなしくその場を去った。

ロランは次に重力波エンジンに向かった。 ヴォネガットの依頼をこなすためである。 託された”異合母体の組織片”は箱の中で激しく暴れまわっている。 この組織片は無尽蔵にエネルギーを吸収する。 零点エネルギーを動力とする重力波エンジンに触れるとどうなるか?

そんなことを考えつつ、ロランは組織片を重力波エンジンのもとに放り投げた。 すべての仕事をこなしたロランは安全な位置に移動して月面基地の動向を見守っていた。

重力波エンジンに向かうカレニーナ。 絶え間なく発せられる重力波をかわしつつ接近する。 ようやく目視できるところまできたカレニーナは異様な光景を目撃する。

重力波エンジンにまとわりついている”何か”がどんどの大きくなり、ついには重力波エンジンそのものを吸収してしまった。 そこには重力波エンジンを搭載した生物のようなものが誕生していた。
カレニーナ「このパニシング濃度…まさか異合生物か!?」
月に存在するはずのない異合生物に驚く。

異合生物は膨張し続けており、放っておくと月面すべてがパニシングに汚染されてしまう。 重力波エンジンとともにこの異合生物も破壊する必要があった。 重力波をかわして異合生物に殴りかかろうとするカレニーナ。 ルナの言葉が脳裏をよぎり、少し躊躇してしまう 。
「本当に破壊していいのか?」

どうしてもネガティブな考えになり、フルパワーで戦うことができない。 苦戦するカレニーナ。 その時、視界に空中庭園の光が入り込んできた 。

「重力波エンジンを破壊することが議決された。」
「速やかに驚異を排除するように。現場の君たちを信じている。」

ハセンからのメッセージであった。

ルナの部屋。 αが用意したデータがルナの意識海に流れ込む。

「昇格者になったあと、人間としてのすべてを捨てようとした。消えない憎しみだけを残して。」
「ただ、1つだけ忘れれないことがある。それはあなたの誕生日。」
「あなたが生まれてくれたことで”姉”になることができた。それは私にとってとても幸せなこと。」 「ルナ、この世界に生まれてきてくれてありがとう。」
「…毎年あなたの誕生日にプレゼントを渡してるでしょ。」
「今年は誕生日に渡すことができなかったから、このメッセージとともに贈るわ。」
「どこにいても私はあなたの味方。」
「ルナ…誕生日おめでとう。」

意識を取り戻したルナ。 ルナの目から涙がこぼれ落ちる。 視線を落とすと、ブサイクなカエルのキーホールダーがあった。 ルナはどうしてもそれに触れたくて手を伸ばした。 拘束具で左手が焼ききれそうになるが、構わず手を伸ばした。 ルナの右手がキーホルダーに触れる。 かすかに残る姉の匂い

その瞬間、ルナの中のパニシングが活性化し、周囲のパニシングを吸収し始めた。 昇格ネットワークとの接続も可能になり、代行者としての力を取り戻す。 姉妹のつながりに対して昇格ネットワークが興味を示したのか。 理由はわからないがルナは再び昇格ネットワークに受け入れられたのである

ルナは振り返り、これまで自分を拘束していた大型オメガウェポンに目を向ける。 カレニーナ「オメガウェポンに負荷をかければ零点エネルギーが枯渇して被害を抑えることができるかもしれない」 ルナはカレニーナの言葉を思い出していた。

ルナは大型オメガウェポンに対して大量のパニシングを放出し始めた。 大型オメガウェポンは零点エネルギーからエネルギーを吸い上げ対抗していたが、本気を出した代行者には敵わなかった。 みるみるうちに零点エネルギーが枯渇していき、大型オメガウェポンはあっさりと崩壊した。

ルナはカレニーナの行動や人命優先の決断を下した空中庭園の判断などから、人類との共存も1つの可能性と考え始めていた。 もっとも昇格ネットワークがそれを許すとは思えないが、代行者の立場を奪われていないことを考えると、昇格ネットワーク自身もそういった変化を求めているのかもしれない。

無尽蔵に再生を繰り返す異合生物に苦戦していたカレニーナ。 しかし徐々に再生速度が遅くなっていることに気づく。
カレニーナ「ルナ…?」
理由はわからないが、叩くのであれば今しかない。

リミッターを解除した渾身の一撃を異合生物にお見舞いする。 再生能力を完全に失った異合生物は木っ端微塵に弾け飛んだ。 カレニーナは無事に重力波エンジンの破壊に成功する。

地上。 月を見上げるα。 ロランからメッセージを受け取りルナの無事を確認する。 本来であれば真っ先に月に向かうはずであるが、今は別の目的に向かっている。 αの目的は…? 新カレ編 完

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